スベり・シカ・知ラズ

ヌマヲ(仮)によるストレス発散及びライティングトレーニングの駄文置き場です

天使に踊らされる

今日は10月4日。10(テン・ten)と4(し)の語呂合わせで「天使の日」に制定されているメーカーがあるとの事。

「次の仕事、殺し屋ですか?」と言われる私には全くふさわしく無い日である。ほっといてくれ(涙


天使と言えば、森永のチョコボールに付いている金と銀のエンゼルマーク。「金なら1枚銀なら5枚」送ると「おもちゃの缶詰」が貰える素晴らしい天使。皆さんも若かりし頃必死に当てようとしていた事があったのでは無いだろうか。

私は必死になった時期があった。そしてとある情報を入手し、見事におもちゃの缶詰を貰ったことがある。


もうかれこれ20数年前、大学と言うモノに籍があった頃(結果5年通って中退)、学園祭実行委員の活動以外はほぼ音響会社やイベント系、あとはCD屋でのバイトで生計を立てていた。あぁ、この頃から間違った人生歩み始めてたね俺(w


エンゼルマークについてのとある情報は、その音響会社の仲の良いスタッフさんからの話だった。その内容は「エンゼルマークが付いている箱は、バリの位置が微妙に違うらしい」と言うモノ。

チョコボールなど小さなお菓子は、30〜40個ぐらいがひとまとめにパッケージされ入荷しているのはスーパーの陳列棚などで見た事があると思う。その中のいくつか(2〜3個)はバリ(紙をカットした時のちょっと残っているつなぎ目部分)の位置が違うらしい。でそのバリの位置が違うモノにエンゼルマークが付いてる確率がかなり高いらしいとの事。その人も実際に見つけた事があり、おもちゃの缶詰を貰ったとの事。

信憑性はかなり高いなとは思っていたものの、実際体験しないと信じない私は「そんなん確率の問題やん?」と信じてはいなかった。のだが、どしても気になってはいたので、その話を確かめるべく仕事帰りに下宿近くのコンビニ数軒を周り、怪しそうなものをピックアップ。5個ほど購入して部屋に帰り早速開けてみる。

あったのだ。1個だけだけど。20年ほど生きて来て初めて銀のエンゼルマークを見たのだ。早速次の仕事の時にスタッフに報告。

「言うたやろ?確率はメッチャ上がんねん!」

とニヤリ。しかし当時一応学生だった私には出費がかさむのは相当な痛手(せこい奴)。おもちゃの缶詰に到達するまでには時間もかかると思い、もう一つのバイト先であるCD屋へこの案件を持ち込むことにした。


「そんなん偶然やん?まぁ、おもちゃの缶詰は欲しいけど」

「時間あったらやってみるわ。まぁ、おもちゃの缶詰は欲しいけど」

こんな感じである。当時皆んな俺より年上。大人達がおもちゃの缶詰には興味津々。どんだけ欲しいんだよ(w

そんな感じだったのに、案の定と言うか何と言うか、結局大体の人がその日の帰りには試して見たらしい。そしてその日からCD屋は「エンゼルマーク捜索隊」に変わったのだった。

昼休みに近くのスーパーに行くと、もう既に他のスタッフが……総勢4人でチョコボールが置いてある什器の前にしゃがみ込みあぁでも無いこぅでも無いと論争すると言う異様な光景が繰り広げられる。店に戻ってもその騒ぎは続く。そんな状態は約1週間続く。捜索範囲はデパートの地下食品売り場、往復で10分はかかるお店まで広がり、「我々は何してんねん」とセルフツッコミをみんながし始めた頃、何と、銀のエンゼルマークが5枚揃ったのであった!


揃ったエンゼルマークを早速送り、1・2週間もすると下宿のおばさんから

「荷物届いとるよ。食堂に置いてあるけん」

と連絡が。いよいよ念願の「おもちゃの缶詰」とご対面。20年ぐらい前の出来事なので記憶は曖昧だが(w、15cm四方ぐらいの缶詰にプラスチック製のけん玉や竹とんぼみたいなモノが4〜5個入っていた記憶が……。何故ここまで記憶に残っていないかと言うと、届いた缶詰を翌日にCD屋へ持って行くと、大人達が

「ご苦労!」

「おぉ、これが本物か〜」

「思ったよりちっさいんやね」

「じゃ、これ貰う」

「私これね」

「缶は貰った!」

と言った感じであっという間に持って行ってしまった。えっと……情報提供者の立場は?応募から受け取りまでして来た人に報酬は?と思っていると

「あ、ヌマヲ(仮)くんにはこれね」

と缶詰が入っていた段ボールが渡された。直ぐに畳んでゴミ捨て場に持っていった(w


その後現在まで何度か試したものの、おもちゃの缶詰どころかエンゼルマークにも出会う事は無い。金のエンゼルマークに至っては1度も見た事が無い。20代30代の大人達が熱狂した約1ヶ月のエンゼルマーク捜索。正に「真夏の夜の夢」の様なモノであった。

 


いや、秋だったか冬だったか……?